新年明けましておめでとうございます。
松本朋子です。
本年もよろしくお願いいたします。
2016年トレンド予測--------
その前提として、常々申し上げている通り、
①一方向の流れ ②周期的なトレンド
このふたつを区別しつつ、両方を見据える必要があります。
以前にも書きましたように
①の一方向の流れとは、資本主義により加速される「都市化」と「IT化」です。
ただし、あえてここから降りる、というような生き方も注目です。
地方移住の模索をされる方のお話は度々入ってきます。
(一昨日、知り合いからの電話で、和歌山に移住する話を聞いたばかり!)
また、昨年の「トレンドレポート」にも書きましたように、人々はITを利用して世界中のどこからでも気軽にアクセサリーやTシャツなどを買う一方(Etsyが有名)、生活導線のなかで日々繰り返し同じ店に入る、と言う点も見逃せません。
IT化に関しては、生活者の行動を大きく変えてしまうような動きが見られます。
ヒトの意識は、独立した確固としたものではなく、行動によって(気づかないうちに)変化していくものですので、この点は、しっかりと見ていきたいです。
私たちはいったい、1日に何回メール(LINE含め)を見るのでしょうか?
5年前、10年前どうだったか覚えていますか?
逆に時間をさかなくなったことは何でしょうか?
②の周期的なトレンドとは、車の顔がマルから四角へといったこと。現在、四角のピークに向けて進行中です。
(関連記事→「カワイイ」より「カッコイイ」な時代。)
ファッション・トレンドもこのところ、ひとつのキーワードでは押さえにくいようですが、2016年春夏は、盛ることがおしゃれという方向と、一方でエクリュ、うすいグリーンといった淡いトーンのものも。
アパレルの方に教えていただいたことのなかで、印象に残っているのは、ラグジュアリーブランドの方向転換です。お金持ちに、というよりも、ファッションおたくといえる層向けになってきているという指摘。コード刺繍など凝ったものが多々みられます。
昨年末に色々と書いてきましたサードウエーブ的世界の中では、洋服については、”ノームコア”(究極の普通)という特長が見られました。これは対極ですね!
ファッションの「裏トレンド」としては、ジェンダーレス化というものがあります。こちらはリアルに、若いカップルが(おそろいではなく)洋服を共用するのです。
ここまでで、結構長い文章になってしまいました。
さてさて、ここからが私自身のテーマのお話です。
「サードウエーブ消費」については、いずれきちんとまとめたいと考えています。
先ほども少しふれました”ローカル”について、このところひっかかりを覚えています。
それは、以前”マイルドヤンキー”で話題になった地元好きの人々の例はあるものの、まだまだ日本全体では、ローカル愛は育っていないのではないか?というものです。
昨年ポートランドで見てきたシーンは、「スタバと地元のカフェが隣あわせ→もちろん、地元応援だよね!」というノリでした。
もう、むちゃくちゃ地元ラブなのです。
そこにあるのは、自分がきちんとお金を落とさないと、このお店は続けていけないよね、というところまでしっかりわかった愛です。
日本の生活者のマインドは、まだそうはなっていないのではないかと思うのです。
で、もっと言ってしまうと、愛そのものが日本の社会に足りないのではないか、とさえ考えています。
マーケターでありながら、幸福とか愛とか文学のようなことを言って・・・とどなたかから怒られるかもしれませんね。
「フェアトレード」に取り組んでいる知人に聞いた話によると「日本ではフェアトレードが思ったように広まらない・・・むしろ韓国の方が盛り上がっている。これはキリスト教的愛というベースの在る無しではないか」と。
(注意:韓国はキリスト教がけっこう強い)
考えてみれば、愛ということばそのものが、明治以前には日本になかったわけで、無理からぬことです。
愛ということばが無かったとき、愛のような感情を日本人は何と呼んでいたかというと、一番近いのが”情け”でしょうか。
今年中に一気に解決できるようなテーマではありませんが、私自身とても引っかかっていることを書きました。
このブログを読んでくださった皆さまには、2016年、幸福と愛がふんだんにありますように!!